がら気付いた

を上げる。目が合うと、彼女はきまり悪そうにぎこちない笑みを浮かべた。これは告白のけじめをつけに来たということだろうか。思わず顔がこわばるが、これでようやく気持ちに一区切りつけられるかもしれないと思う。
「それならこんなところで待ってないで、捜査一課を訪ねてくれればよかったのに……って、ああそうか……すまなかったな、何か佐川が余計なことを言ったみたいで」
 岩松警部補は話しなようで、顔をしかめて頭をかいた。
 彼女はこころなしか自嘲めいた笑みを浮かべて肩をすくめる。
「いえ、私もそうかなってちょっと思ってましたから」
「いやいや、佐川以外はみんな歓迎していたんだぞ?」
「そうだったらいいんですけど」
 あまり信じていない様子の彼女に、岩松警部補は優しい目を向ける。
「気が向いたらでいいがまた顔を見せてやってくれ、佐川のいないときにでも。みんな澪ちゃんのことを結構心配してたからな。南野なんか、澪ちゃんのことで頭がいっぱいで使いものにならなかったくらいだ」
「ちょっ……岩松さん……!」
 誠一は顔が熱くなるのを感じながらあたふたとする。そこまで察しがついていたのか、あてずっぽうなのかはわからないが、彼女の前でこんな誤解を招くような言い方をされては困る。これではまるで自分の方が恋をしているみたいだ。
「南野、おまえ澪ちゃんと喫茶店でも行ってこい」
「あ、はい……」
 そういえば彼女は誠一に話があって来たのだと言っていた。岩松警部補がどういうつもりなのかはわからないが、こんな往来でする話
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